建物は劣化するものであることは言うまでもありません、従って何年かごとには修繕をする必要があります。
修繕は、「建物の傷みが目立ってきたらその部分を修繕する」ことでも維持は図れます。
しかし、建物にとって最善の方法とは言い切れません。
そこで「部位別・材料別の予測寿命」を基に「傷みが進行しないうちに修繕する」
予防保全の考え方から、「部位ごとに工事方法と時期をあらかじめ決めておく」
計画修繕の手法をとりいれようというのが、長期修繕計画です。
マンションでは主に修繕積立金がこの資金に充てられます。
長期にわたる資金を確保するためにどうするか、また、どのような資金運営状況が生じるかを予測することも長期修繕計画の役割です。
理事が短期間で交代するマンションが多くあります。
それゆえ、長期の視点が必要な建物の維持保全には、なかなか対応できないのが現実です。 そのため理事会のために修繕工事をプログラム化したものが長期修繕計画と考えてもいいでしょう。
そのためには、工事時期だけでなく準備期間の計画もあわせて決めておくことをお勧めします。
長期修繕計画で扱っているのは建物設備の物理的劣化です。
しかし、建物や設備には、社会的劣化というものがあります。
これに対しては「改善」あるいは「機能向上」といわれる工事が行われています。
マンションの将来像を描き、マンションの資産価値を高めていくことは経営そのものと考えられます。